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| 日本経済新聞 プラスワン(2004.06.05) |
| 味と香りに女性酔う本格焼酎「芋」の愛好者増加 生産追いつかず |
@飲む人の好みのタイプを知る
A原料別に大まかな味や香りの特徴をつかみ、料理との相性も考える
Bまろやかな味と香りを楽しむのなら長期熟成タイプ |
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本格焼酎が人気だ。その魅力は芋や麦などの原料により、また、製造・貯蔵方法の違いで、異なる味や香りが楽しめることだろう。価格がつり上がった希少銘柄もあるが、最近は大手の商社やビールメーカーが手がける飲みやすい風味で、値ごろ感あるものも増えてきた。百貨店や酒類専門店によく並んでいて、ギフトにもなる"新顔"を中心にチェックしてみた。
焼酎には甲類と乙類があるが、本格焼酎は乙類。構造が単純な蒸留器を用いることで、原料の香味成分が溶け込みやすく、個性が際立つ。九州地方を中心に根付いた製法だ。
本格焼酎の原料別生産量が最も多いのは麦だが、最近の売れ筋は芋焼酎。産地はやはり宮崎、鹿児島両県が主だ。かつては「においがきつい」と敬遠されがちだったが、最近は女性ファンも増えている。
桜の郷醸造(宮崎県北郷町)の「諸葛」もそんな一つ。中国製の大甕で5年間貯蔵・熟成、黒こうじ菌で仕込み、黒蜜(くろみつ)のように甘くこうばしい。
日本焼酎発祥の地といわれる鹿児島県川内市にある山元酒造の「薩摩古酒 超五代」は、1985年に仕込んだ高濃度の原酒をそのまま封印し、熟成。アルコール度数は44度と高めだが、まろやかで、味わいは端正だ。
麦焼酎は元寇(げんこう)の折に中国から朝鮮半島経由で長崎県壱岐地方に伝来、その後、福岡県や大分県など九州北部に広がったとされる。壱岐焼酎協業組合(長崎県壱岐市)の「十酔伝説」は減圧蒸留、低温発酵した原酒をシェリー樽(たる)で5年間貯蔵。これに竹炭ろ過でつくった焼酎をブレンドし、穏やかな香りとまろやかな飲み口に仕上げた。
天盃(福岡県三輪町)の「天盃 宝壺(たからのつぼ)」は地元産の二条大麦だけてつくった焼酎を壺に収めており、過程で熟成具合を確かめながら味わえる。
米焼酎の主産地は、熊本県の人吉・球磨地方。深野酒造本店(熊本県人吉市)の「偶(たまさか)」は熊本県産の米を球磨川の伏流水で仕込み、5年間熟成させた。非常に濃厚で、酒好きにお勧めの一品。一方、「紅葉天狗(てんぐ)」は広島県の日本酒メーカー、久保田酒造(広島市)の製品。吟醸酒をつくる際に残る吟醸かすで作る。
焼酎業界で異色なのが三井物産の動き。蔵元の活性化を狙い、商品の共同開発に取り組んでいる。「諸葛」「偶」などはその一例だ。本格焼酎がけん引役となり2003年の焼酎出荷量は過去最高を記録、53年ぶりに清酒を上回った。ただ、芋焼酎は慢性的な原料不足に加え、家族経営の中小・零細の蔵元が多く、需要の拡大に生産がなお追い付いていないのが現状だ。
| 目利きのひと事 焼酎アドバイザーの菱沼勇人氏 |
| 好みに合わせて原料選び贈り物を |
| ギフト用なら、相手の好みに合わせて原料を選ぶ。好みが分からなければ、本格焼酎に果汁などをブレンドしたリキュールや米の焼酎が無難だろう。ボトルのデザインがユニークなものや、長期熟成タイプも喜ばれる。最近は同じ蔵元の焼酎を複数集めた飲み比べセットもある。焼酎好きには入手が難しい小さな蔵元限定生産品などがお勧めだ。 |
| 買い方のツボ 話題性より飲み手の好みで |
本格焼酎の選び方は基本的に日本酒やワインと変わらない。「話題性や希少性は大事だが、飲む人がおいしいと感じる商品を選ぶのが一番」(三井物産九州支社の中村鉄哉・物資開発営業部長)という。
原料は製造・貯蔵方法による風味の違いをおおまかにつかんでおけば、商品を選ぶ時の目安にできる。
原料ごとの特徴は▼芋は独特の甘みとふくよかな風味▼米は特有の吟醸香とまろやかな味▼麦は端麗・軽やかな風味と、ほのかな甘さ▼泡盛は独特の香りの良いうまみ―などだ。
伝統的な製法でつくられたハードタイプは原料本来の個性が強く出る。一方、減圧・低温で蒸留したソフトタイプは原料そのものの風味が抑えられる半面、香りが豊かで、軽快な味を楽しめるという違いもある。
熟成期間も味を左右する。総量の50%超が3年以上の貯蔵酒は「古酒」に分類されるが、味はまろやか、香りも穏やかになる。長期熟成タイプはそのまま飲んでもおいしいが、氷や水で割っても風味が崩れない。本格焼酎は酒を劣化させる成分が少なく、日光に当てたり、高温になる場所に置いたりしない限り、品質劣化をあまり心配せずに済むという。 |
米焼酎の水割りで鮎の塩焼き堪能
日本料理・串揚げ店「初(うぶ)」三田店(東京・港)の高田秀哉店長
本格焼酎・泡盛は食中酒としても楽しめる。米、麦、芋でつくった焼酎は氷や水で15度前後に割ると、和食とも合わせやすい。この時機、鮎(あゆ)の塩焼きを米焼酎の水割りなどといつ所に食べると、さわやかな鮎の風味が堪能できる。 |
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