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| NY Japion(2004.08)【特集】幻の焼酎の上陸 |
| 〜酒蔵の代表に聞いた〜焼酎いろいろ楽しみ方もいろいろ |
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■■錦灘酒造(鹿児島)山元紀子さん
「覇龍神(芋焼酎)」「八起(米焼酎)」、「立志伝(芋焼酎)」の3銘柄を持ってきました。錦灘の酒造は元々焼酎造りには欠かせない麹菌の開発を行っていたので、他には出していない麹を使った焼酎造りが特徴です。覇龍神も立志伝も同じ芋を原料にしていますが、異なる麹を使っているため、覇龍神は端麗辛口に、立志伝はコシがあってまろやかな風味になっています。私の場合、覇龍神はあえてピザなどの重たい料理と合わせて、これで一気に口の中をすっきりさせます。甘い香りの八起にはヒラメのえんがわがぴったり。そして立志伝は寝酒として一日を振り返ると同時に、明日への勇気と力をもらっています
■■深野酒造本店(熊本)深野誠一さん
球磨地方で造る焼酎は球磨焼酎と言われ、地元の豊富な米、そして市房山などの峰々から湧き出る豊かな水を利用して造られています。今回持ってきた「荒天準備(米焼酎)」は、芳醇な香りとまろやかな味わいを実現。180年間使われている甕で仕込みをすることで、もろみの段階から丸みが帯びてくるのです。この荒天準備は、瓶のまま冷凍庫に入れてキンキンに冷やして飲むのが最高です。私はお酒を飲むときは、食前には減圧蒸留の米焼酎、食中には常圧蒸留の米焼酎、食後には芋焼酎といったように、最初から最後まで焼酎を飲み続けています
■■井上酒造(宮崎) 井戸川哲三さん
ナツメヤシを麦焼酎にブレンドした「天歩」は長期熟成したブランデータイプの華やかでフルーティーな香りが特徴です。メキシコのテキーラが龍舌蘭を原料にしていることをヒントに、ナツメヤシを使うことを考えつきました。うちは原料選びに冒険をすることが多いので、まだ市販はされていませんが、他にもちょっと変わった焼酎をいろいろ試しています。「壷中の玉響」は芋焼酎の原料を素焼きの壷でじっくり熟成させた甘い香りが持ち味。5年後くらいには、もっとたくさんの長期熟成の焼酎が提供できるので楽しみにしていてください。長期熟成のものは、食前にロックで飲むのがおすすめです。そして、どんな焼酎も、ざっくばらんに笑いながら、語り合ってワイワイ飲むと、もっと美味しく飲めます。
■■繊月酒造(熊本) 石井聡さん(代理三陽物産)
今日本では長期貯蔵された焼酎が人気です。繊月酒造ではオーク樽で貯蔵することで、和食の焼酎を洋風にも感じられるようにしています。今回試飲会に参加した「霧の祥雲」、「霧の封印」、「焔の刻印」は、熊本で酒と言えば米焼酎と言われるように、すべて米焼酎です。古酒にこだわっていて、霧の封印には山廃仕込みの30年貯蔵の大古酒を無農薬米で仕込んだ原酒とブレンド。独自の吟醸香に似た香りとすっきりした味わいが楽しめます。焔の刻印は柔らかい口当たりとコクのある甘みは洋酒ファンにも、そして、霧の祥雲は樽貯蔵5年のマイルドの味わいが、女性にも人気です。
ニューヨークに上陸間近江戸から続く酒蔵の焼酎
2001年から始まった日本での焼酎ルネッサンス事業によって脚光を浴び、九州から大阪、東京といった首都圏へとその販売圏を広げていった九州の本格焼酎。この秋、九州の中でも規模の小さい酒蔵の本格焼酎がニューヨークにもやってくる。
■■京屋酒造(宮崎県日南市) 渡邊眞一郎さん
「私の蔵ではインターネットでのみ販売している長期熟成の焼酎があります。あるニューヨークに住む購入者から『今、暖炉の前でシガーを吸いながら焼酎を飲んでいます』というメールをいただきました。海外でこのように焼酎を飲んでいただいているのかと思い、とても感激したのを覚えています。」
九州の酒蔵の焼酎は世界へ目を向けることになったきっかけを語るのは、今月3日にニューヨークの北野ホテルで行われた九州の本格焼酎の試飲会に出展した京屋酒造の渡邊眞一郎社長。
宮崎県にある京屋酒造は、天保5年(1834)創業以来、甕を使った仕込みを継承している九州の中でも小規模な酒蔵。宮崎県はそば焼酎の発祥の地であると同時に、鹿児島県寄りでは芋焼酎も盛んに造られており、日南市にある京屋酒造では芋焼酎を中心に麦焼酎、米焼酎、そば焼酎を含めたおよそ30銘柄ほどを造っている。そんな中「平八郎」と「河童の誘い水」と言う2銘柄の本格焼酎が、今回試飲会に参加した中でも先陣をきり、北米での酒類販売許可を申請している。このまま申請が進めば、来月10月にはニューヨークで飲めるようになる見込みだ。
料理の引き立て役食中酒としてのむ焼酎
「蔵の特徴として大量の焼酎を造ることはできません。生産量も1年間に一升瓶換算で25万本から30万本で日本でも品不足の状態ですが、米国、それもニューヨークで出すというこだわりがあります。」
渡邊氏がニューヨークにこだわるのは、アメリカンステーキをはじめイタリアンやフレンチ、中華や日本食など世界中の国々の料理が集まる土地で、日本の麹の文化・低アルコールの焼酎を、食を引き立てる食中酒をコンセプトとして飲んでほしいという思いがあるためだ。京屋酒造では芋焼酎が6酒類ある中でも、味の異なるものが揃い、香り強いものやフルーティな香りのものなど、どのような食事の場面にも合わせられるように焼酎造りを行っている。そんな中「平八郎」と「河童の誘い水」は芋焼酎の中でも両極端のタイプとなっている。「平八郎」は黒麹を使っているため、香辛料をたくさん使っている香りの強い料理にも負けないコシや香りの強さが特徴です。シチューや煮込みもの、中華料理などどいった脂っこく濃い味の料理とよく合います。一方、お酒自体の個性を主張しすぎない「河童の誘い水」は繊細な味を楽しむ料理に最適です。オイスターバーでのカキやお寿司などの生の魚に合わせるのはいいでしょう。
目標は世界へ日本の文化としての焼酎
日本で焼酎が飲まれるようになって400年から500年という歴史にもかかわらず、世界的に見るとまだ認知度は低い焼酎。しかし、今まで焼酎のことを知らなかった人には、ウイスキーのようにエイジングをしなくても、ある意味、蒸留したてのものが繊細で味も香りも異なり、おいしい焼酎ができるという、麹の文化、日本の文化としての蒸留酒を世界中で認めてもらいたいと渡邊氏は言う。
「スコットランドのスコッチの蒸留所も小さな蒸留所で生まれ、焼酎と同じような小さな街で同じような歴史で造られたものです。同じ蒸留酒でも一方で世界中に出て、なぜもう一方の焼酎は南九州だけなんでしょう。今回のニューヨークへの登場が、これから世界へのスタートだと思っています。これをきっかけに世界中で焼酎を広めていきたいと思います。」 |
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