ルネサンス・プロジェクトは、地場に埋もれている幻の焼酎を発掘・復興・革新!


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MONOマガジン6月2日号(2006.05.16)
連載第4回酒匠・菱沼勇人の「焼酎道楽」
本格焼酎についてはこれまで長期貯蔵表示の基準が曖昧で「3年以上の熟成酒が50%以上含まれていること」など構成比が一定基準を満足していれば表示ができた。つまりは3年以上の熟成酒が50%の焼酎も全量が8年以上の焼酎も同様に「長期熟成」や「古酒」の表示が可能であった。むろん「ブレンドの妙」というか、新酒や異なる特性をもった熟成酒を混合することによって味わいを調整するという意味もあるため、その構成比率は蔵元独自のノウハウという場合もある。

長崎県の壱岐の島は焼酎伝来ルートのひとつといわれ「泡盛」「球磨」と同様に産地指定名称をもつ「麦焼酎」発祥の地である。米麹1に対して大麦2の比率で醸造され、「いいちこ」に代表されるような大分麦焼酎と異なり、麹米を使う。伝統製法にこだわり、あくまでも常圧蒸留で全量を製造する蔵元も多い。身近な芋焼酎ファンでも「壱岐の常圧」を紹介し、これに特別な思い入れのある方も多い。

「天の川酒造」や今回紹介する「壱岐の華」などは常圧にこだわる代表蔵である。「尋ね鳥」は全量が5年から8年の長期熟成酒であり、これぞ真っ当な「長期熟成酒」である。常圧蒸留で蒸留した原酒を加水してから低濃度貯蔵するため、多くの樽数を必要とする。本格焼酎の規定には琥珀色の濃さにも制限があるため、一定以上の長期熟成酒は原酒のままでは色が濃すぎて商品化できないこともある。このあたりが蔵元悩みのひとつで、加水貯蔵は極限までの長期貯蔵に挑戦するための手法であるともいえよう。月産3千本とわずかな生産量ながらギフトでは定番でデパートなどで比較的入手しやすい商品である。

5月からはシェリーの空き樽貯蔵の製品に対して残留シェリー量を厳しく問う新酒税法が施行された。業界の悩みは尽きない。
monoマガジン掲載
「尋ね鳥(たずねどり)」
壱岐の華(長崎・壱岐)
本格麦焼酎25度 2625円
http://rakuten.co.jp/sakashodouraku/

プロフィール/菱沼 勇人

オーバルワン株式会社代表取締役。SSI認定酒匠、きき酒師、焼酎アドバイザー、SSI東京支部役員。1961年神奈川県生まれ、慶應義塾大学在学中の84年に学生ベンチャーで起業、98年に独立創業し現職。情報通信など大手企業の商品・サービス開発や事業開発に20年以上従事、数多くのヒット商品を手掛ける。毎日数万行の消費者購買履歴をネット経由で取り寄せ、販売事実を基礎にした現場改善で繁盛店づくり、ヒット商品づくりに貢献する。ヒト、モノ、カネ、ITにプラスして地場産業など日本伝統文化の「イキ」を追及する。日本再生の現場主義経営者。

酒匠(さかしょう:Master of SAKE Sommelier)とは「きき酒師」の上位資格、目指すのは究極のテイスター。日本酒の酒米品種もきき分ける嗅覚を持つ。SSI認定。