ルネサンス・プロジェクトは、地場に埋もれている幻の焼酎を発掘・復興・革新!


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NYジャピオン356号(2006.06.08)
酒匠 菱沼勇人の のんだくれ日記
今宵の逸品 天歩(てんぽ)
本格焼酎は原料の風味が味わいの骨格を作っている。これは単式蒸留ならではの特性であり、原料規定が厳しく2回以上の蒸留を行うモルトウィスキーなどと異なり、原料の広がりと個性が味わいのバリエーションとなっている世界でも稀な酒といえよう。

サツマイモ、麦、米、そば、黒糖、胡麻ばかりではなく、実は焼酎原料として許可されているものの中には次のようなものもある。トウモロコシ、栗に馬鈴薯、山芋、ニンジン、このぐらいは理解の範囲。びっくりするのは白樺、落花生、グリーンピース、カボチャにトマトにサボテン、シイタケ、緑茶まである。

これから先はどんな味だか想像もできないが、マタタビ、クマ笹、銀杏、レンコンなどなど。許可されているその数なんど30種類以上。

中でも個人的に好きなのは野菜よりも果実。緑茶、牛乳の健康系よりも"のんだくれ"としてはやはりデーツ焼酎である。デーツとは中近東産の「なつめやし」、フルーツである。もともと糖分を含むものであるから発酵力は強く、甘みと香りが脳天まで広がる。ブランデーやリキュールのイメージに近い焼酎でありながら、単式蒸留ならではの柔らかさがある。ニューヨークでも販売されているものとしては「天歩(てんぽ)」があり、これは宮崎の櫻の郷醸造がワイン酵母を使い樫樽で8年以上貯蔵して仕上げた、作品ともいえるデーツ原料の焼酎である。寝る前の牛乳よりもまず一献。
NYジャピオン
天歩(てんぽ)宮崎:櫻の郷醸造合名会社、本格焼酎、36度
原材料:デーツ(なつめやし)・米麹・麦
プロフィール/菱沼 勇人

1961年神奈川県生まれ。オーバルワン株式会社代表取締役。SSI認定酒匠、きき酒師、焼酎アドバイザー、SSI東京支部役員。学生ベンチャーで起業。98年に独立創業し現職。ヒト、モノ、カネ、ITにプラスして地場産業など日本伝統文化の「イキ」を追及する。日本再生の現場主義経営者。

酒匠(さかしょう:Master of SAKE Sommelier)とは「きき酒師」の上位資格、目指すのは究極のテイスター。日本酒の酒米品種もきき分ける嗅覚を持つ。SSI認定。