ルネサンス・プロジェクトは、地場に埋もれている幻の焼酎を発掘・復興・革新!


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モノマガジン No.549(2006.11.16発売号)
酒匠 菱沼勇人の 焼酎道
天歩(てんぽ)/井上酒造(宮崎県・南郷町)/
本格デーツ焼酎36度/2,940円(税込)
monoマガジン
本格焼酎のルーツは中近東のチグリス、ユーフラテス川流域といわれる。香水の抽出方法や錬金術として発達した蒸留術は世界各国で独自の蒸留酒文化を育み、スコッチ、ブランデー、マールやグラッパ、ウオッカ、中国の「白酒(パイチュウ)」など地域の気候、原料、食文化に応じて独自の発達をしてきた。

本格焼酎は再溜をしない点で世界の蒸留酒と比較してとても贅沢な作りをしている。単式蒸留だからこそ原材料が直接味わいの骨格を決定づける。認可されているものにはサツマイモ、麦、米、蕎麦、黒糖、胡麻ばかりでなく、とうもろこし、栗、にんじん、山芋、じゃがいも、ピーマン、落花生、グリーンピース、かぼちゃにトマト、サボテン、シイタケ、緑茶まである。その数なんと30種類以上。中でも今回紹介したいのがデーツ、中近東産の「なつめやし」を原料とする本格焼酎である。ブランデー酵母を使ったフルーツならではの甘み、樫樽で8年以上熟成されたまろやかな味わいとかすかなバニラ香。中近東から伝来したルーツをたどる原料ともいえよう。

本格焼酎の「温故知新」、日本産ウィスキーばかりではない日本が世界に誇る蒸留酒である。「天歩」は別名「スカイウォーカー」として米国でも販売されている。先日ニューヨークの「chanto」でも楽しんだ。海外ではデザートと合わせて食後にお勧めするソムリエもいる。

写真1)井上酒造の仕込み水及び割り水は自社敷地内の湧水である。昔からこの水を”榎原湧水”と呼び平成6年に環境省と宮崎県が"宮崎県の名水21選"に選定した。

写真2)ニューヨークのダイニング"chano"は日本で「ちゃんと」や「KEN'S DINNING」を展開する株式会社ちゃんとのNY第一号店。今年5月にオープンした人気店でも「天歩」が飲める。こちらは海外仕様とのこと。

プロフィール/菱沼 勇人

1961年生まれ。オーバルワン株式会社代表取締役。SSI認定酒匠、きき酒師、焼酎アドバイザー、SSI東京支部役員。学生ベンチャーで起業、98年に独立創業し現職。ヒト、モノ、カネ、ITにプラスして地場産業など日本伝統文化の「イキ」を追求する。日本再生の現場主義経営者。

酒匠(さかしょう:Master of SAKE Sommelier)とは「きき酒師」の上位資格、目指すのは究極のテイスター。日本酒の酒米品種もきき分ける嗅覚を持つ。SSI認定。