ルネサンス・プロジェクトは、地場に埋もれている幻の焼酎を発掘・復興・革新!


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モノマガジン391号(2007.03.16)
酒匠 菱沼 勇人の焼酎道
モノマガジン
信天望」深野酒造株式会社(熊本・人吉)/麦焼酎23度1,600円(税込)

先日NHKの「Weekend Japanology」という番組に出演する機会があった。海外向け衛星放送「NHKワールドTV」のプログラムで日本の魅力を新しい切り口で世界に発信する英語と日本語の二ヶ国語放送である。今回のテーマは「焼酎」、もう一人のゲストコメンテイターは著名なウィスキーライターのデイヴ・ブルーム氏、司会のピーター・バラカンさん、菊池真美さんとともに英語での番組出演となった。

番組内でのブルーム氏の試飲コメントは一見の価値ありなのであるが、特に米焼酎に対する評価はすばらしいものであった。実は番組内でコメントしている最初の米焼酎が深野酒造の「荒天準備」である。
ブルーム氏は球磨焼酎酒造組合の招聘で過去に人吉を何度か訪問している。球磨川の清らかな水、年間に300日も霧が発生するという盆地ならでは気候条件の下、球磨焼酎はWTOの原産地指定名称も取得しており、まさにスコッチの本場「スペイサイド」を思わせる自然環境とのこと。40年以上も前から樽貯蔵に挑戦している蔵もあり、貯蔵技術の交流は氏の今回来日の目的でもあった。

麦焼酎の樽もの「信天望」はアメリカンオークとシェリーの空き樽にそれぞれ1年間貯蔵した麦、麦原料のモルト4種をブレンドした本格焼酎である。そのスムーズさは3年は貯蔵しているのではと思わせるほどだが、そこがブレンドマジック。米麹独特の甘みのある味わい、決してスモーキーすぎない穏やかな樽香にはバニラやハーブのような華やかな香りもある。余韻は短く、湯割りでも楽しめる。和食にあう絶妙の樽ものはスペイサイドを思いながら飲みたい。
写真1)
シェリーの空き樽はスペインから輸入する。シェリー樽独特のチョコのフレーバーも特徴。

プロフィール/菱沼 勇人

1961年生まれ。オーバルワン株式会社代表取締役。SSI認定酒匠、きき酒師、焼酎アドバイザー、SSI東京支部役員。学生ベンチャーで起業、98年に独立創業し現職。ヒト、モノ、カネ、ITにプラスして地場産業など日本伝統文化の「イキ」を追求する。日本再生の現場主義経営者。

酒匠(さかしょう:Master of SAKE Sommelier)とは「きき酒師」の上位資格、目指すのは究極のテイスター。日本酒の酒米品種もきき分ける嗅覚を持つ。SSI認定。