ルネサンス・プロジェクトは、地場に埋もれている幻の焼酎を発掘・復興・革新!


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NYジャピオン394号(2007.03.02〜208)
酒匠 菱沼勇人の のんだくれ日記
天王山の虎錦灘酒造(鹿児島県)本格芋焼酎30度
黄金千貫と寿甘藷を「焼き芋」で仕込んだ薩摩焼酎の逸品。通常の「蒸し」よりもホクホクとした芋の香りと甘みがある。天下分け目の「天王山」、幕末の志士に思いを馳せて飲みたい焼酎。

先日上野の美術館の売店で古地図を見ていた。自宅のある芝は増上寺の南にあり、実は薩摩藩邸のあった場所である。古地図には「金杉橋」などの標記もあるため現存の地名にも多少残っている。NEC本社敷地内やビル北側には薩摩屋敷跡の碑もあり、まわりに四国の藩邸があったことから古くは三田四国町と呼ばれていたらしい。薩摩藩邸は東西800m、南北300mの敷地であったというから現在の芝2丁目と3丁目にまたがる広大なお屋敷であったのだろう。屋敷の南、現在の芝5丁目の旧三菱自動車の本社ビル辺りは勝海舟と西郷隆盛の「江戸開城会見の地」としても知られている。

最近では「江戸・東京・重ね地図CD-ROM」などというものもあり現代地図と古地図を比較しながら見ることもできる。なかなかに楽しそうなので買ってみた。我が家は、薩摩藩邸の北の接道、芝新馬場通りに面した辺りである。

本格焼酎のコラムなど書いているから「九州の生まれですか」とよく聞かれるが、実は生まれも育ちも横浜で、血縁者にも九州出身者は皆無である。少しは由縁が欲しいところであるがまったくない。家紋につながるものもないため、せいぜい言えることは「旧薩摩藩邸の辺りに住んでいます」ぐらいだ。150年後の現在、薩摩焼酎はのんだくれの体の中を通ってこの地に流れている。雪が降っては雪見酒、桜が散れば花見酒、古地図を見ながらの地図見酒もまた楽しい。
プロフィール/菱沼 勇人

1961年生まれ。オーバルワン株式会社代表取締役。SSI認定酒匠、きき酒師、焼酎アドバイザー、SSI東京支部役員。学生ベンチャーで起業、98年に独立創業し現職。ヒト、モノ、カネ、ITにプラスして地場産業など日本伝統文化の「イキ」を追求する。日本再生の現場主義経営者。

酒匠(さかしょう:Master of SAKE Sommelier)とは「きき酒師」の上位資格、目指すのは究極のテイスター。日本酒の酒米品種もきき分ける嗅覚を持つ。SSI認定。