ルネサンス・プロジェクトは、地場に埋もれている幻の焼酎を発掘・復興・革新!


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モノマガジン560号(2007.04.16)
酒匠 菱沼 勇人の焼酎道
モノマガジン
久保録久保田酒造(広島・安芸)/本格芋焼酎25度、2,625円(税別)
久保田酒造・・・「菱正宗」で知られる久保田酒造は慶応4年(1868年)創業、139年の歴史を誇る広島の蔵元である。

米麹・・・枯らしを終えた米麹。水分量が少ないため歯ごたえがあり噛むほどに甘みが増える。両手いっぱいの米麹に鼻をもぐらせると栗のような独特の香りがする。

「斗瓶」とは文字通り十升(一斗)入るガラス瓶である。清酒づくりにおいては20kg程度の清酒もろみを袋吊りし、自然な落下で集められた清酒を貯蔵するために使われる。

通常は蛇腹型の大型搾り機(薮田式)で、まさに粕になるまで搾り切る。水分は50%前後で触感は柔らかいホワイトチョコのようである。しかしながら鑑評会用の出品酒などでは、この斗瓶を使った「袋吊り」という手法がとられることが多い。自然落下された雫酒ともいえるこのような出品酒は慎重に火入れされ、場合によっては酸化を防ぐために窒素を瓶内に入れて斗瓶に集められ低温貯蔵される。

もちろん機械絞りに比較して人手もかかるため生産量は極端に少ない。せいぜい十斗もつくればその年の鑑評会用には充分ということになる。そのため自ずと「斗瓶囲い」などの表記は希少生産品のラベルとなり、特定銘醸酒の最高品質のもののように崇められている場合もあるのだ。

今回紹介する「久保録」は広島産酒造好適米「千本錦」「八反錦」を50%まで磨いた鑑評会用の純米大吟醸酒の清酒粕を使用した本格米焼酎である。清酒粕といってもいわゆる「粕取り焼酎」とは製法もまったく異なる。

袋吊りの大吟醸や吟醸清酒の清酒粕を蒸留した焼酎を3年から5年貯蔵した原酒が骨格となり、これに広島産酒造好適米「八反錦」を60%まで磨いた純米吟醸酒を薮田式の搾り機で精製し、蒸留した原酒をブレンドしている。

香りの印象はとても華やかで、吟醸酒の青々しいトーンが焼酎にも反映される。アタックは柔らかく、蒸し米の香りと甘み、アフターフレーバーはなんとメロンを連想させるのだ。基本的にはオンザロックがお勧めだが湯割りにすると米麹の甘みが強調され、異なるキャラクターが出てくる。
プロフィール/菱沼 勇人

1961年生まれ。オーバルワン株式会社代表取締役。SSI認定酒匠、きき酒師、焼酎アドバイザー、SSI東京支部役員。学生ベンチャーで起業、98年に独立創業し現職。ヒト、モノ、カネ、ITにプラスして地場産業など日本伝統文化の「イキ」を追求する。日本再生の現場主義経営者。

酒匠(さかしょう:Master of SAKE Sommelier)とは「きき酒師」の上位資格、目指すのは究極のテイスター。日本酒の酒米品種もきき分ける嗅覚を持つ。SSI認定。