ルネサンス・プロジェクトは、地場に埋もれている幻の焼酎を発掘・復興・革新!


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モノマガジン566号(2007.08.02)
酒匠 菱沼 勇人の焼酎道
MONOマガジン,十酔傳説
十酔傳説/壱岐焼酎協業組合(長崎・壱岐市)/本格麦焼酎25度
バーテンダーネタで「酒言葉」というのがある。男性が女性に「ポートワインを飲まない?」と勧め、女性が飲めば「今夜はOK」サイン。逆に女性が男性に「シェリー酒を飲みたいわ」と言えば「今夜は帰りたくない」って意味になる。相手の提案を断る場合には「ブルームーン」。こちらの酒言葉は「できない相談」とか。

スペインのアンダルシア地方ヘレス(Jerez)で醸造される「シェリー」はヘレスの英名読みである。原産地呼称統制法によって厳格に製法と呼称が規定されている。

長崎県壱岐の島は周囲40kmほど、玄海灘に浮かぶテーブル状の島である。古くから穀倉地帯として知られ「麦焼酎発祥の地」としてシェリー酒と同様、原産地指定名称を受けている。

「十酔傳説」は壱岐の島独特の米麹で1次仕込みを行う麦焼酎である。加えて低温発酵により通常7日間の仕込みを8日間かけてていねいに行い、蒸留も初垂れ、末垂れをカットし、もっとも香味に優れた蒸留酒だけを使った、とても贅沢な本格焼酎である。貯蔵にはスペインから輸入したシェリー酒の空き樽を使っている。全量が5年貯蔵という贅沢な麦焼酎、壱岐の島とヘレスの町の意外な取り合わせはまさにたぐいまれな焼酎を生んだ。

アタックは極めて柔らかく20度程度にしか感じない。樽香はおだやかで独特の甘みは米麹とシェリー樽からの甘みであろう。ロック、水割りはもちろん、樽貯蔵ながら湯割りでも楽しめる。

写真)2007年モンドセレクション金賞を受賞。

写真)昨年「TIO PEPE」で有名なゴンザレス・バイアス社を訪問した。その折工場の片隅にワイングラスにハシゴがかけてある。シェリー好きのネズミが飲みに来るんだとか。この遊び心がたまらない。

写真)クラシック音楽を子守唄にゆったりと樽の中で5年間熟成される。

菱沼 勇人
1961年神奈川県生まれ。オーバルワン株式会社代表取締役。SSI認定日本酒学講師、酒匠(さかしょう)、きき酒師、焼酎アドバイザー、SSI東京支部役員。慶応義塾大学在学中の84年に学生ベンチャーで起業、98年に独立創業し現職。情報通信など大手企業の商品・サービス開発や事業開発に20年以上従事、数多くのヒット商品を手掛ける。ヒト、モノ、カネ、ITにプラスして地場産業など日本伝統文化の「イキ」を追求する。日本再生の現場主義経営者。

酒匠(さかしょう:Master of SAKE Sommelier)とは「きき酒師」の上位資格、目指すのは究極のテイスター。日本酒の酒米品種もきき分ける嗅覚を持つ。SSI認定。