ルネサンス・プロジェクトは、地場に埋もれている幻の焼酎を発掘・復興・革新!


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■モノマガジン(2007.11.02)
酒匠 菱沼 勇人の焼酎道
「夢志野」壱岐焼酎協業組合(長崎)/本格麦焼酎25度
モノマガジン,夢志野
長崎県の壱岐は玄海灘に浮かぶ周囲40キロほどの島である。「壱岐焼酎」はフランスのコニャックや英国のスコッチと並びWTOの原産地指定名称を受けており、熊本の「球磨焼酎」、沖縄の「琉球泡盛」、鹿児島の「薩摩焼酎」と同様、470年以上といわれるその長い歴史に根ざした固有の文化をもっている。

一部清酒業界でも「産地認定制度」を採用しようという動きがあり、県単位、あるいは河川の流域(水系)毎に特徴的な個性を認定し、世界に発信していこうとしている。清酒がもつ産地独自の個性をブルゴーニュやシャンパーニュにようにわかりやすく世界に発信していこうというものである。確かに先日(9月27日)視察したニューヨークの「Joy of SAKE」では新潟や山形の酒をひとつの「くくり」として数多くの銘柄を紹介していた。

「夢志野」は米1に対して大麦を2の割合で使用する麦焼酎である。戦後大分の焼酎がすべて麦で作られたのと対照的に、壱岐焼酎は米麹を使用するため、麦焼酎独自のキレのよさばかりでなく複雑な味わいと独自の甘みをもたらす。地下130メートルの玄武岩質の地層を通してもたらされた仕込水を使い、低温で発酵、減圧蒸留原酒の初溜と後溜を捨て、もっとも質の高い部分だけを竹炭で濾過した"肌触り"はまさに志野焼き。香りの個性には華やかさがありながらシルキーで透明感のある味わいが印象的である。

焼酎の良し悪しを簡単に理解する方法は軟水でとことんまで薄めてみることである。香りの個性、味わいの輪郭が薄めてもそのまま残るようであればその焼酎はよき酒であるといえよう。シルキーで飲みやすいだけではない、奥深い歴史とつくりのよさを感じることのできる麦焼酎である。
プロフィール/菱沼 勇人

オーバルワン代表取締役。SSI認定酒匠、日本酒学講師、きき酒師、焼酎アドバイザー、SSI東京支部役員。1961年神奈川県生まれ。慶応義塾大学在学中の84年に学生ベンチャーで起業、98年に独立創業し現職。情報通信など大手企業の商品・サービス開発や事業開発に20年以上従事、数多くのヒット商品を手掛ける。ヒト、モノ、カネ、ITにプラスして地場産業など日本伝統文化の「イキ」を追求する。日本再生の現場主義経営者。

酒匠(さかしょう:Master of SAKE Sommelier)とは「きき酒師」の上位資格、目指すのは究極のテイスター。日本酒の酒米品種もきき分ける嗅覚を持つ。SSI認定。