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| ■モノマガジン(2008.01.16) |
| 酒匠 菱沼 勇人の焼酎道楽 |
「如虎」/櫻の郷醸造(宮崎県・北郷町)/本格芋焼酎25度720ml
原材料・甘藷・米麹/価格1260円 |
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本格焼酎は正式には「単式蒸留しょうちゅう」と呼ばれるように1回しか蒸留しない、世界でも稀なる蒸留酒である。スコッチやブランデーでも2回、3回の蒸留(再瑠)があることと比較すれば原料の味わいを色濃く残す本格焼酎ならではの技術的な特性である。
単式蒸留だからこそ蒸留器の重要性は際立ってくる。大きく分けると蒸留方式には「かぶと式」「木桶式」「河内式」などがある。「かぶと式」は古典的な直火炊き方式、「木桶式」も昔ながらの方式で、蒸留器本体が木桶であることから内部の温度が高くなっても焦げ臭などが付きにくく、やわらかで味わいの濃い常圧蒸留酒の精製が可能である。「河内式」は現在では広く使われている近代式ステンレス蒸留器のメーカーであり、減圧蒸留、常圧蒸留両方式でもっともよく見かけるものである。
実は蔵元独自の工夫はボディではなく、その上部の冷却構造にある。煙突状の部分から横に伸び、冷却タンクまでの部分である。気体となったアルコールを急冷し液化するためにもとっも重要な部分であり、「わたり」と呼ばれる。内部構造はまさに社外秘となることも多く、最近ではその素材にもこだわる蔵元もある。
熱伝導率のいいのは銅や錫などであり、急激に冷やすための最高の素材である。特殊素材のためコストは高くつくが投資するだけの効果が見込める部分でもある。上部構造ばかりでなく蛇管にも錫を使う蔵元もある。
今回紹介する「如虎」は'06年に導入した最新型の蒸留器を使う芋焼酎である。なぜここまでこってりとした味わいがありながら長期貯蔵のような柔らかな旨みがあるのか、まるで木桶の蒸留器のような味わいがある。黒麹のこってりとしたまとわりつくような香り、濃厚な味わい、余韻は短くキレもよい。価格以上の満足感がある。これはと思ってヒアリングすると新方式の蒸留器を使っているとのこと。蔵元に食い下がってもなかなか中身まで聞き出せなかったが、素材や内部構造に特殊な素材や方式を使っているとか。興味は尽きない。
「焼酎道場」では仕込み単位に応じた小型の蒸留器が使われる。
櫻の郷醸造の新型蒸留器 |
菱沼 勇人(ひしぬまはやと)
1961年生まれ。オーバルワン株式会社代表取締役。SSI認定酒匠(さかしょう)、きき酒師、焼酎アドバイザー、SSI東京支部役員。学生ベンチャーで起業。98年に独立創業し現職。ヒト、モノ、カネ、ITにプラスして地場産業など日本伝統の「イキ」を追求する。日本再生の現場主義経営者。
酒匠(さかしょう:Master of SAKE Sommelier)とは「きき酒師」の上位資格、目指すのは究極のテイスター。日本酒の酒米品種もきき分ける嗅覚を持つ。SSI認定。 | |