ケイ・シップVol.1 2008年5月発行
■ 九州で「働く」
九州の優れた本格焼酎を全国に売り込む…ベンチャー企業「(株)ルネサンス・プロジェクト」の代表取締役社長の中村鉄哉さんに、ビジネスを行っていくうえでの九州・福岡の魅力と課題についてうかがった。
九州・福岡には高いポテンシャルがある

九州に来て10年になりますが、福岡の印象を一言でいえば、非常にポテンシャルがあり、成長の可能性の高い地域だということです。具体的には、交通アクセスがよく、豊かな自然環境があることが魅力です。
福岡は、新幹線も飛行機もすぐに乗れます。私は週のうち2〜3日は全国のどこかに出張していますが、ビジネスを行う上で他地域へのゲートウェイとなっている福岡は非常に利便性が高い。もう一つは、これは私の持論ですが、人間は自然といかに共生していくかが重要で、住環境や自然環境はクリエイティビティの基盤であると思っています。福岡は、水が綺麗で緑も多く、また自転車でも通勤できるほどコンパクトで、ほどよく都市的機能と自然環境が混じり合っています。私自身も、自宅から天神のオフィスまで自転車通勤しています。
私たちが行っているのは、焼酎を中心とした九州の地場産品の商品企画・卸販売ですが、これはブランド・マーケティングであり、想像力が要求される仕事です。ルネサンス・プロジェクトは社員10名程度の小さな会社。大企業には資本力ではかなわないので、クリエイティビティで勝負するしかありません。福岡に仕事と生活の拠点を置いたのは、このような環境が良いと考えたからです。
福岡の魅力は人々の心がオープンなこと
私たちの商品を扱ってもらっている飲食店を紹介する「Open」というグルメ雑誌を発行し、現在第4号まで出しました。雑誌の創刊は会社の設立当初から暖めていた企画で、創刊の狙いの一つは、単に商品を売るだけではつまらない、そこに何らかの物語性なりメッセージを伝えたいと考えたからです。これからはプッシュ型(売込み型)のマーケティングだけではなく、消費者や顧客に「これイイな」と感覚的に思わせるプル型のマーケティングが必要だと思っています。
もう一つは、私たちを応援してくれた福岡のまちの人々への恩返しという意味もあります。福岡の良いところは、人々の心が非常にオープンなところです。私のようなよそから来た人でもうまく取り込んで、まちの活力につなげていくような風土があります。商社にいたときも、独立して会社を興したときも、様々な方々から支援してもらいました。雑誌の名前を「Open」と名づけたのもここからです。その恩返しとして、福岡のまちを応援したい、食の分野でこれから伸びて行くであろう人々を応援したいという気持ちがありました。この雑誌を通じて、福岡から食文化の情報発信を行っていきたいと考えています。


